アイ・ピー・シーには子育て中の社員が多く、子育てについての話が飛び交うことも多く見られます。
我が家にも中1の息子がおりまして、昨年4月から長野県にて山村留学をしております。
山村留学とは、親元を離れ、同じ意志を持った仲間たちと地元の学校に通いながら集団生活を送る、国内の留学制度です。
日本全国にある山村留学ができる場所は様々、特色も様々です。
息子が所属している団体では、「暮らし」に重点を置き、子どもたちが話し合いで生活を立ち上げていくことを大きな特色としています。
もちろん大人もいますが、管理者や指導者という立場ではなく、子どもたちと同じ目線プラスアルファ(主に安全面)での関わりです。
私も訪問時に色々お話を伺うのですが、
「特に今の子どもたちは、圧倒的に体験が足りない」
と聞きました。
情報が溢れ、動画サイトなどで色々目にしている事柄は多いものの、実体験はほぼゼロだと話しています。
その具体的な内容として、「まず、子ども同士で喧嘩をしていない」とのこと。
「体験」とは、キャンプや野山を駆け回るようなことかと思いきや、もっと身近なことでの体験を指摘されるとは思っていなかったので、驚きました。
確かに、子どもの喧嘩やトラブルには、まず親や先生が間に入ることが多いですね。
なんなら、トラブルを避けるために
「親同士で連絡先を交換していない子とは遊べない」
というルールを設けている家庭もあるようです。
日常で起こる些細なきょうだい喧嘩にしても、親が(忙しいこともあって)ジャッジを下すことも少なくありません。
私も思い当たる節が多々あります。。。
また、怪我をする経験もここ10年で激減していると聞きました。
安全なハサミ、安全な遊具、安全な彫刻刀…
我が家も、赤ちゃんがドアに指を挟まないようにと付けたガードが未だに付いています。
だから、山村留学生はたくさん怪我をしています。
(と書くと、色々語弊が生まれそうですが)
そしてそれは「痛みは治るんだ」という体験にもなりますね。
物理的にも、精神的にも、自分が痛みを経験をしていなければ、他人の痛みは分かりませんね。
そのような実体験を積んでいる(やり直している)息子を始め、子ども達の成長は目を見張るものがあります。
この山村留学は、1年ごとの契約での挑戦であり、我が子は来年度(中学2年生時)も継続したいということで、継続面接に挑み、私も保護者として同席してまいりました。
この1年で学んだこと、成長できたことを踏まえ、今後の自分の課題とどう向き合うか。
時に厳しい言葉でそんな話を小中学生に求め、必死に応じる子ども達。
子どもと離れて暮らす親にとっては、その面接に同席することで、子どもへの心配が信頼へと変わる瞬間でもありました。
よく「息子くんがいなくて毎日寂しくないですか」と聞かれますが、
私は、離れていても、元気で成長していることがわかるし、
そばにいることだけが子育てではないと思えるので、寂しくありません。
また、私自身も成長し続けていきたいと思えるようになりました。
離れていても、離れているからこそ、家庭内だけではできなかった成長を見せてくれている息子をこれからも応援しようと思える、そんな山村留学のお話でした。
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